2022年5月、突如として開設され瞬く間に世界トップクラスのフォロワー数を獲得した冨樫義博公式X(@UnFrontier)。日々の原稿用紙の隅に描かれたノンブル(ページ番号)が投稿されるたびに何十万もの「いいね」が寄せられていますが、その投稿テキストには今なお身体との壮絶なせめぎ合いが記録されています。
特にファンや医学関係者の注目を集めたのが、2024年9月に発信された体調に関する記述です。「カラーを再開。完了が予定より遅れております」という原稿報告に続いて吐露されたのは、「骨が終盤のジェンガみたいになっていて、少しの無理で一気に崩れる感覚」という生々しい比喩でした。腰椎周辺の支持組織が破綻しかけ、わずかな姿勢の乱れや負荷が神経を圧迫して激痛を引き起こす――そんな恐怖と隣り合わせで作画に挑んでいる実態が伝わってきます。
では、寝たきり執筆の真相とは具体的にどのようなスタイルなのでしょうか。関係者の証言やご本人の解説によると、現在の冨樫先生は一般的な製図机に向かって椅子に座るスタイルを完全に断念しています。床やベッドの上に分厚いクッションを敷き詰め、上半身を特定の角度で固定した「仰向けに近い半臥位」や、自衛隊の訓練に例えられる「第3匍匐(ほふく)前進」のような腹這いの体勢で原稿用紙と向き合っているとされます。首や肩、手首への極端な負担を強いられながらも、1コマずつ丹念にペンを走らせる姿は、職人という表現を超えた執念そのものです。