葬儀社の見積書において、湯灌は基本セットプランに含まれず「オプション(追加項目)」として設定されているケースが全体の8割以上を占めます。一般的な湯灌の費用相場は5万〜15万円(全国平均値は約8万〜10万円)です。
金額の開きは、浴槽を持ち込む「本湯灌(ほんゆかん)」か、ベッドや布団の上で温タオルや専用アルコールを用いて清める「略式湯灌(古式湯灌)」かによって生じます。本格的な専用車両や給排水ポンプを用いる本湯灌は8万〜12万円前後、略式の場合は4万〜6万円程度が相場です。
見積もり時の注意点として、一部の葬儀社では基本プランに「納棺の儀(納棺師の人件費)」が含まれていても、湯灌を希望すると別途追加費用が請求される構造になっています。契約前に「この見積もりの納棺には湯灌が含まれているか」「含まれていない場合、湯灌を追加した総額はいくらか」を必ず書面で確認することが不可欠です。
また、読者から頻繁に寄せられる疑問が「当日の湯灌師やスタッフへチップ(心付け)を渡すべきか」というマナーです。結論として、現在の葬儀事情において心付けは原則不要です。大手冠婚葬祭互助会や葬儀専門会社ではコンプライアンスの観点から「スタッフへの金品の受け取りは一切辞退」と明記されているケースが大半を占めます。どうしても感謝の意を伝えたい場合は、3,000円〜5,000円程度をポチ袋に包んで用意する方も一部いますが、手厚い感謝の言葉を述べるだけで十分礼儀に適っています。