近年、公益財団法人日本城郭協会の公式スタンプラリーや、位置情報ゲームアプリ『ニッポン城めぐり』を活用した旅が爆発的な人気を博しています。しかし、実際に全国踏破を目指す現場では、予期せぬ過酷な現実やトラブルも報告されています。
編集部がスタンプラリー達成者およびアプリ上位ランカー数十名への独自聞き取り調査を実施したところ、以下のような現場の実態が浮かび上がってきました。
「続日本100名城に指定されている山城は、観光地化された城郭とは全くの別物です。整備された遊歩道がなく、滑落の危険がある急斜面や野生動物との遭遇リスクが日常茶飯事です。アプリのGPSチェックインやスタンプ設置場所が山頂の本丸跡にしかなかった場合、本格的な登山装備がないと命に関わります」(40代・城郭愛好家歴15年)
「冬場や雨天時の石垣周辺は極めて滑りやすく、文化財保護のため手すりがない場所も多い。百名城巡りをスタンプ集めの作業にしてしまい、車でスタンプ台だけを巡るような旅になると、維持管理に尽力する地元保存会との摩擦を生むことにもなりかねません」(50代・日本100名城スタンプ完全踏破者)
現地を巡る際は、「スタンプを押すこと」を主目的とせず、「遺構の観察」に重きを置く姿勢が求められます。特に「続日本100名城」に多く含まれる山城(群馬県の岩櫃城や岐阜県の苗木城など)を攻略する際は、国土地理院地図の事前確認、トレッキングシューズの着用、日没前の完全撤収を徹底することが不可欠です。