「普段は寄り道もせず、暗くなる前には必ず帰ってくる子なんです。あいつが何の連絡もなく姿を消すなんてあり得ない」。現場近くの捜索拠点で取材に応じた父親は、憔悴した表情を浮かべながらも、震える声で当日の様子を克明に明かした。
父親の証言によれば、失踪当日は家庭内でも特段変わった様子はなく、児童は宿題を済ませた後に「友達と近所の公園で遊んでくる」と言い残して家を出たという。しかし、待ち合わせ場所に指定されていた公園に児童が現れることはなかった。友人たちと別れたとされる午後4時30分から、母親が異変に気づいて父親へ連絡を入れた午後5時過ぎまでの「空白の約30分間」。このわずかな時間枠の中で、児童の身に何らかの突発的な事態が起きたことは明白である。父親は「連れ去られたとしか思えない。どうか無事でいてほしい」と声を絞り出し、メディアを通じて広く情報提供を求めた。