完全移住という大きな決断を下す前に、福岡市内や東京との二拠点生活(デュアルライフ)を選択する層が目立って増えている。博多駅や福岡空港まで電車や車で1時間圏内という抜群のアクセスの良さは、糸島が持つ最大の武器だ。午前中は海の見えるコワーキングスペースでリモートワークに励み、夕方にはボードを抱えて波打ち際へ向かう。そんな柔軟なワークスタイルが、ここでは日常の光景として定着した。
この動きを支えているのが、一般社団法人糸島市観光協会や地元事業者によるワーケーション受け入れ体制の進化だ。高速Wi-Fiと電源を完備したワークスペースの充実はもちろん、地元住民と滞在者が交わるミートアップイベントも定期的に開催されている。単なる「仕事場付きの観光」ではなく、新しいビジネスアイデアや共同プロジェクトが生まれるプラットフォームとして、半島全体が機能し始めている。