藤田美術館が誇る約2,000件の所蔵品一覧の中でも、頂点に君臨するのが南宋時代(12〜13世紀)に作られた国宝「曜変天目茶碗」です。漆黒の釉薬の上に浮かぶ瑠璃色の斑文は、見る角度や光の当たり方によって星雲のように青や紫へと妖艶に色彩を変え、「器の中に小宇宙がある」と称えられます。
藤田美術館における展示の最大の特徴は、「ガラスの存在を感じさせない超高透過低反射ケース」と、作品を全方位360度から観察できる展示配置にあります。茶碗の内側に広がる星紋の煌めきだけでなく、高台(器の底)の土見せの質感まで肉眼で克明に捉えることが可能です。
曜変天目茶碗をはじめとする国宝・重要文化財は、作品保護の観点から常設展示は行われず、テーマごとの展覧会スケジュール(春夏秋冬の定期的な展示替え)に合わせて順次公開されます。曜変天目の公開時期は毎年特定の企画展に合わせて設定されるため、来館前には必ず公式サイトの出品目録を確認することが推奨されます。