記者会見の演台に立った菅官房長官は、張り詰めた静寂のなか「新しい元号は、令和であります」と明瞭に発声し、墨書された額縁を高く掲げました。このとき使用された「令和」の二文字を揮毫したのは、内閣府の辞令専門官を務めていた書家・茂住修身(雅号:茂住菁邨)氏です。
墨書掲出の瞬間はテレビ各局で生中継され、多くの国民の脳裏に焼き付くこととなりました。有識者懇談会では、ノーベル生理学・医学賞受賞者の山中伸弥氏や作家の林真理子氏をはじめとする各界の代表9名が参加し、事前に提示された複数の候補案について活発な意見交換が行われました。
関係者の回顧録によると、懇談会内では「響きが美しく、新時代にふさわしい」「日本の豊かな自然と文化を感じさせる」として、序盤から「令和」を推す声が優勢であったと伝えられています。政治主導の押し付けではなく、学術的・文化的な見地を尊重しながら合意形成が図られた点が、今回の改元プロセスの大きな特徴でした。