60歳退職は損か得か?年金や失業保険の落とし穴と後悔しない選択について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
「60歳で完全にリタイアするか、会社に残るか」を考える上で、最も気になるのが金銭的な損得勘定です。厚生労働省の各種調査や民間給与実態統計を総合すると、60歳定年後の再雇用における給与相場は、定年前の50%〜70%程度にダウンするのが一般的です。役職手当の喪失や基本給テーブルの変更により、月収が大きく下がる事実にショックを受けるシニア層は少なくありません。
一方で、60歳で完全退職して無職になった場合の家計収支と比較すると、たとえ給与が半減したとしても「働き続ける経済的メリット」は絶大です。総務省「家計調査年報」のデータを基に試算した、60代無職世帯と再雇用世帯の生活費・収支シミュレーションは以下の通りです。
項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価退職金相場(大卒・勤続35年)大企業:約2,000万〜2,500万円
中小企業:約1,100万〜1,500万円平均約1,800万円〜2,000万円前後一時金受取時の退職所得控除枠の活用が税務上の重要ポイント。60代無職世帯の月間支出夫婦2人世帯:約26万〜28万円
単身世帯:約15万〜17万円60〜65歳の5年間で約1,600万円前後の赤字年金受給前の5年間で退職金の大半を取り崩すリスクが高い。再雇用時の月収・手取り水準月額面:20万〜28万円前後
手取り:約16万〜22万円定年前の50%〜65%水準日常の生活費を労働収入で賄えるため、資産寿命を大幅に延伸可能。高年齢雇用継続給付の受給枠賃金が定年前の75%未満に低下した場合に支給給付率は最大10%(法改正による縮小傾向)制度改定による減額を見越し、手取りシミュレーションを事前確認必須。
試算が示す通り、60歳で完全に無職となった場合、公的年金が満額支給される65歳までの5年間で、夫婦世帯なら約1,600万円の貯蓄取り崩しが発生します。退職金の平均受取額が1,800万〜2,000万円前後である現実を考慮すると、退職金の大半が年金支給前の生活費補填で消滅してしまう計算です。