心地よさや満ち足りた時間を意味するデンマーク語の「ヒュッゲ(Hygge)」や、スウェーデンの伝統的なお茶時間「フィーカ(Fika)」。こうした北欧のライフスタイル思想が、今改めて日本の旅人の心をとらえている。北海道当別町は、気候や風土が北欧諸国に酷似していることから、半世紀近く前からスウェーデンとの深い交流を育んできた歴史を持つ。
広大な敷地に足を踏み入れると、まず目を奪われるのがシンプルでありながら存在感のある木造建築群だ。陽光が差し込む広々としたアトリウム空間には、北欧の名作家具が惜しみなく配置されている。缶コーヒーを飲みながら次の目的地へ急ぐ従来のドライブ風景はここにはない。お気に入りの椅子に深く腰掛け、窓外の田園風景を眺めながら焼きたてのパンとコーヒーを味わう。訪れた人々の表情に浮かぶのは、明らかに緩やかで上質な時間の流れだ。