プレイヤーがなぜそこまで怒り、脱力したのか。その理由は、サマルトリアの王子と合流するまでに強いられる「すれ違いの過酷さ」にあります。当時のファミコン版はエンカウント率が非常に高く、初期の貧弱な装備ではスライムやつちわらし相手でも命がけでした。命からがら各地を巡るプレイヤーの足取りを振り返ります。
1. サマルトリア城:「王子は勇者の泉へ向かわれました」
ローレシアを出立し、北西にあるサマルトリア城に到着した主人公。王様に謁見すると、「我が子も大神官ハーゴンを倒すべく、東の『勇者の泉』へお清めに向かった」と告げられます。ここでプレイヤーは「よし、追いかけよう」と東へ進路を取ります。
2. 勇者の泉の洞窟:「王子は入れ違いでローレシアへ向かわれました」
毒の沼地や強力なモンスターを掻い潜り、勇者の泉の最深部に到達。しかし、そこにいた老人から告げられたのは「王子ならとっくにお清めを済ませ、ローレシアの城へ向かったぞ」という非情な一言でした。プレイヤーは大きく迂回し、スタート地点であるローレシア城へ戻ることを余儀なくされます。
3. 再びローレシア城:「サマルトリアへ戻る途中でリリザに寄るとか…」
長い道のりを引き返してローレシア城へ戻ると、王様から「サマルトリアの王子が訪ねてきたが、入れ違いになった。サマルトリアへ戻ると言っていたが、途中の『リリザの町』に立ち寄ると言っていた」と聞かされます。この時点でプレイヤーの移動歩数は数百歩に達し、HPもMP(やくそう)も限界近くまで削られています。
4. リリザの宿屋:呑気にテーブル席でくつろぐ王子の姿
半信半疑で中継地点であるリリザの町に入り、宿屋へ足を踏み入れると、緑色の服を着た戦士がテーブル席に悠然と腰掛けています。話しかけた瞬間に出てきた言葉が、あの「いやー さがしましたよ。」でした。