日高市武蔵台がネット上で「限界集落」や「ゴーストタウン」と揶揄される背景には、1970年代から造成された大規模ニュータウン特有の人口構造の変化があります。日高市の住民基本台帳および行政統計データによると、武蔵台地区の高齢化率(65歳以上人口比率)は45%を超えており、市内平均と比較しても高い水準にあるのは紛れもない事実です。
一次世代が一斉に入居し、その子ども世代が大学進学や就職を機に都心部へ流出した結果、世代交代が停滞した時期が存在しました。一部の街区で見られる空き家の現状や、かつて住民の生活を支えていた近隣スーパーの撤退が「寂れた街」というイメージを増幅させ、ネット掲示板やSNSで過剰に拡散された経緯があります。
しかし、現地を実際に歩くと、荒廃した廃墟群のような景観とは大きくかけ離れていることが分かります。敷地面積が広く整然とした街並みは現在も美しく管理されており、庭木の手入れや外壁塗装を行っている住宅が大半を占めます。自治体と連携した空き家バンクの活用やリノベーション支援により、近年は低廉な住宅価格に魅力を感じた若い世代の流入も徐々に確認されています。