ネット上の情報空間には、商業的ブリーディングのプロモーションによって作られた都合のよい誤解が定着しています。その最たるものが「賢いから誰でも簡単にしつけられる」という幻想です。
確かにラブラドゥードルは知能が高く、指示語の理解力に秀でています。しかし「知能が高い犬」というのは、「飼い主の意図を忠実に聞く都合のいい犬」と同義ではありません。頭が良い犬ほど、飼い主の一貫性のない態度や弱みを瞬時に見抜き、自分勝手な行動パターンを学習します。適切なリーダーシップと継続的なドッグトレーニングを提供できなければ、大型の体格を持て余した手に負えない暴れ馬と化してしまいます。
さらに、抜け毛が少ないという特徴の裏には「猛烈なブラッシング負担」という引き換え条件が存在します。換毛期に抜け落ちない毛は体表に留まり、数日間放置するだけでフェルト状の頑固な毛玉になります。一度フェルト化した毛玉は皮膚を引っ張り、皮膚炎を引き起こすだけでなく、バリカンで丸刈りにするしか処置がなくなります。毎日のスリッカーブラシとコームによる丁寧な手入れに30分〜1時間を割けない家庭にとって、この被毛構造は祝福ではなく激しい日常的ストレスへと転化します。