事件の発端は、2012年12月30日深夜に遡ります。東京都内にある元プロ野球選手・タレントの長嶋一茂氏の自宅兼ガレージのシャッターに、赤いスプレー塗料で大きく殴り書きがされているのが発見されました。書かれていた文字は「バカ息子」「アホ」「バカ」という、極めて短絡的かつ強い敵意を剥き出しにした誹謗中傷でした。
長嶋氏は警視庁に被害届を提出し、警察は器物損壊事件として捜査を開始。しかし、当初は熱狂的なアンチファンや愉快犯による犯行と見られ、事件は長らく公に報じられることはありませんでした。事態が急変したのは、犯行から約1年8か月が経過した2014年8月下旬のことです。『週刊文春』が「江角マキコが長嶋一茂邸に『バカ息子』と落書きさせていた」という特大スクープを報じたことで、列島中に激震が走りました。
文春の取材班が掴んだ決定的な事実は、警察の防犯カメラ解析や関係先への聴取により、落書きを実行した人物として当時江角マキコ氏の現場マネージャーを務めていた男性(当時30代)が特定・事情聴取されていたという点でした。かつてCMで共演するなど親交があったはずの長嶋一茂氏と江角マキコ氏の間で、なぜこのような陰湿な器物損壊事件が発生したのか、メディアは一斉にその背景を追い始めました。