小芝風花の名演を語る上で欠かせないのが時代劇への挑戦だ。フジテレビ系ドラマ『大奥』では、過酷な運命に翻弄されながらも気品と情念を燃やす五十宮倫子を熱演。着物の裾さばきや襟足の美しさ、そして禁断の愛や嫉妬に揺れる瞳の揺らぎが、彼女の中に眠る大人の色香を存分に引き出した。
さらに、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』への出演は、彼女の表現力にさらなる深みをもたらした。江戸の華やかさと猥雑さが交錯する吉原の世界観のなかで、伝説の遊女「花の井」役を演じきった姿は圧巻の一言。重厚な衣装の隙間から覗く艶やかさと、生き抜くための過酷な意志が重なり合い、観る者の心を激しく揺さぶった。