彼の転機を語る上で欠かせないのが、実在のプログラマー金子勇氏を演じた映画『Winny』である。新鋭・松本優作監督の鋭敏な演出のもと、彼は体重を増やし、独特の歩癖や無垢な眼差しを徹底的に身体化してみせた。不当な権力と闘う天才開発者の孤独と情熱を、これほどまでに純粋に表現できた役者が他にいただろうか。
松本優作監督との協働は、彼の中に眠っていた泥臭くも繊細な芝居の引き出しをこじ開けた。メガホンをとるクリエイターたちが一様に口を揃えるのは、彼の「画面を支配する圧倒的な存在感」だ。単なるハンサムな主演俳優という枠組みを超え、泥を被ることを恐れない表現者への変貌。それは日本の映画業界にとっても大きな収穫であった。