受験生や保護者の間で近年ささやかれるようになったのが、「諫早高校の難関大合格率が急変したのではないか」という懸念の声です。匿名掲示板やSNSでは「東大・京大などの旧帝大合格数が減少し、進学校としての地盤沈下が起きている」といった極端な言説が散見されます。しかし、公表資料と学校関係者への取材データを精査すると、この噂の背後にはまったく異なる事実が浮かび上がってきます。
結論から述べると、学力水準が低下したのではなく、「生徒・家庭の進路選択における安全志向・現役志向の激化」と「大学入試選抜形態の多角化」が数字の見え方を変えたに過ぎません。
第一に、新課程入試の導入に伴う入試科目の再編(情報Iの必修化など)を前に、浪人を極端に嫌う心理が強まりました。かつてのように「浪人覚悟で東京大学や京都大学に特攻する」スタイルの生徒が減少し、着実に現役で九州大学や熊本大学、長崎大学の医学部・薬学部といった地元・近隣の難関国公立を確実に射止める選択を取る家庭が急増したのです。
第二に、進路指導方針のアップデートです。近年の諫早高校進学実績を詳細に分析すると、一般選抜の一発勝負に頼るだけでなく、総合型選抜や学校推薦型選抜(旧AO・推薦入試)を戦略的に活用する生徒が劇的に増加しています。高校側も探究活動や小論文指導、面接対策の体制を強化した結果、秋から冬の段階で難関大の内定を勝ち取るケースが増加しました。結果として、春の一般選抜前期日程における「旧帝大の派手な数字」だけを追う外野の目には、あたかも合格率が変動したかのように映ったというのが真相です。
実際、近年の諫早高校国公立大学合格数は毎年140〜170名前後で手堅く推移しており、卒業生数(約270名)に対する割合で見れば、過半数が国公立大学へ進学する圧倒的な実績を堅持しています。とりわけ地元・長崎大学への合格者は毎年60〜80名規模、九州大学へも二桁の合格者をコンスタントに送り出しており、地域中核進学校としての機能不全といった指摘は完全に的を外れたデマであると断言できます。