モラウの肉体面における最大の特徴であり、すべての能力の基盤となっているのが「規格外の肺活量」です。作中においてモラウ自身が「肺活量だけなら世界一の自信がある」と豪語する通り、彼の呼吸筋と肺機能は念による強化を差し引いても異常な水準に達しています。
この肺活量の秘密が遺憾無く発揮されたのが、キメラアント師団長レオルとの戦闘経緯です。モラウを地下発電所へ誘い込み、奪った念能力「衛星蜻蛉(サテライトンボ)」と「深海への誘い(ティアーズ・イン・ザ・レイン)」によって地下空間を濁流で水没させたレオルは、完全に水中戦での圧勝を確信していました。
しかし、モラウは水中に完全に沈められた密閉空間の中で、動揺することなく超人的な無呼吸潜水を敢行。さらに、水中に残されたわずかな空気を集め、超高圧の息で水流を乱すだけでなく、チューブ状の煙を使って外気を取り込もうとするレオルの呼吸経路を特定しました。最終的には、密閉された空間内で大量の煙を発生させて酸素を急激に消費させ、二酸化炭素中毒および一酸化炭素中毒を誘発させてレオルを窒息死させました。肉体的な肺活量の優位を単なる潜水時間にとどめず、化学的・物理的な窒息戦術へと昇華させたこの一戦は、海洋ハンターとしての経験が生んだ至高の頭脳戦でした。