かつて残酷さや奇妙さに満ちていた民話が、家族で楽しめる教育的なストーリーへと洗練された背景には、メディアと絵本の存在が大きい。昭和から平成にかけて一世を風靡したテレビ番組『まんが日本昔ばなし』は、愛くるしいキャラクターと情緒豊かな語り口で、この物語を国民的記憶へと定着させた。
また、福音館書店をはじめとする児童書出版社は、絵本という媒体を通じて民話の美しさと深遠さを子供たちに届けてきた。こうした児童文学としての再構築は、語り口をマイルドにしつつも、物語が持つ根本的な「異界体験のワクワク感」を損なうことなく、世代を超えて受け継がれる普遍的価値へと磨き上げたのである。