ネット上の掲示板やSNSにおいて、超サイヤ人4ゴジータは時折「お調子者で敵を舐めて遊んでいたせいで合体が解け、事態を悪化させた戦犯」と揶揄されることがあります。クラッカーを鳴らして超一星龍をおちょくる姿や、ふざけた技名をつけて相手を精神的に追い詰めるコミカルな挙動がその論拠とされがちです。
しかし、これは物語の文脈を無視した大きな誤解です。当時の戦闘描写を仔細に分析すると、ゴジータがあのような道化を演じたのには極めて合理的な理由が存在していました。
第一に、超一星龍が放った全宇宙を覆い尽くすほどの「マイナスエネルギーパワーボール」をそのまま迎撃して爆発させれば、地球は粉微塵に吹き飛んでいました。ゴジータはあえて相手を挑発して最大の技を撃たせ、自らの正のエネルギーをぶつけることで地球と宇宙全体のマイナスエネルギーをプラスへと反転・浄化させるという、神業に近い救済工作を完璧に成し遂げていたのです。
第二に、この戦いの結末は『ドラゴンボールGT 最終回』のテーマである「ドラゴンボールに頼りすぎた人類への戒めと自立」、そして「全宇宙の生命から元気を集める最後の元気玉」へと繋がる必然のストーリーテリングでした。ゴジータの圧倒的パワーだけであっさり勝利してしまっては、鳥山明原案の精神を受け継いだGTという作品が提示すべき「悟空が世界に遺したもの」の物語的帰結が成立しなかったという演出意図を読み解く必要があります。