スマートフォンの画面を数回タップすれば、翌日には自宅に商品が届く。ECサイトの利便性が極限まで高まった今、リアルな大型店舗が果たすべき役割とは何なのか。その答えが、この空間づくりに凝縮されている。かつて効率性を最優先していたフロア構成は一変し、歩くこと自体が楽しくなるような流線型の通路や、開放感あふれる吹き抜けのパブリックスペースが大胆に配置されている。
「買い物をしなくても、ここに来れば何か面白いことが起きている」――そんな期待感を抱かせる仕掛けが随所に散りばめられているのだ。ベンチに腰掛けて読書を楽しむ高齢者、ワークショップに熱中する親子連れ、スケートボードパークで汗を流す若者たち。それぞれが思い思いの時間を過ごせる設計は、従来の「消費の場」を超えた、現代のパブリックスペース(公共空間)としての機能を完璧に果たしている。