Q1:1歳や2歳の頃の記憶が鮮明にあるのですが、これは嘘なのでしょうか?
A1:嘘と決めつけることはできませんが、脳科学や認知心理学の観点からは、後から見せられた写真や家族の話、夢の内容などを脳が合成して作り上げた「虚偽記憶(フォールス・メモリー)」である可能性が極めて高いと考えられます。人間は外部の情報を自分の直接体験だったと無意識に置き換えてしまう性質を持っています。
Q2:子どもの記憶をできるだけ長く残すために、親ができることはありますか?
A2:出来事を振り返る「エラボレイティブ・ナラティブ(詳細な対話)」が効果的です。「楽しかったね」で終わらせず、「誰がいた?」「何色のお花が咲いていた?」「どんな気持ちだった?」と情景や感情を言語化して会話することで、脳内での情報構造化が進み、エピソード記憶が定着しやすくなります。
Q3:大人になっても幼児期の記憶を完全に保持している特殊な人はいますか?
A3:極めて稀に、「過剰記憶症候群(ハイパーサイメシア)」と呼ばれる、過去の出来事の日付や天気を詳細に記憶し続ける人々が存在します。しかし、彼らであっても生後数か月や1歳未満の記憶まで遡ることは極めて困難であり、海馬の神経新生が活発な最序盤の記憶は同様にアクセス不能になっているケースがほとんどです。