FM802が主催する野外音楽フェス「ミート ザ ワールド ビート」の最大の特徴は、一般的な商業フェスとは一線を画す出演アーティストのキュレーション力にあります。1990年の初開催以来、当時の新人から名実ともにトップへ駆け上がった歴代出演者まとめを振り返ると、スピッツ、Mr.Children、ウルフルズ、DREAMS COME TRUE、さらにはブレイク直前のあいみょん、Official髭男dism、Vaundy、King Gnuに至るまで、錚々たる顔ぶれがこの舞台を踏んできました。
番組ディレクターやDJ陣が「ラジオからヒットを生み出す」という信念のもと選定するため、選考には単なるストリーミング再生数だけでなく、FM802の「ヘビーローテーション」に選出された実績や、局との深い信頼関係が如実に反映されます。過去の特番インタビューにおいて、出演した大物バンドのフロントマンが「802のリスナーは音楽を聴く耳が肥えているから、もみじ川のステージに立つときは他のどのフェスよりも独特の心地よい緊張感がある」と吐露した一幕は、現場の空気を象徴しています。
タイムテーブルの傾向にも独自の美学が存在します。例年、開演直後のオープニングアクトや序盤には今まさに頭角を現しつつある気鋭の若手を抜擢し、夕暮れ時からラストにかけて百戦錬磨のベテランやアリーナクラスのアーティストを配置する構成が通例です。単一ステージ制であるため、タイムテーブルの被り(見たいアーティストの重複)が発生せず、来場者全員が同じ音楽体験を共有できる点も、参加者の満足度を押し上げる大きな要因となっています。