競技生活にピリオドを打って以降、高橋大輔の活動領域は「元トップスケーター」という肩書を遥かに凌駕しています。公式サイト『D1SK』や公式Instagram(@d1sk_t)の発信、各メディアの報道を総合すると、現在の彼はプレイヤー、演出家、プロデューサーという3つの顔を自在に行き来するマルチ表現者として確立されています。
その筆頭が、高橋自身がフルプロデュースを手がけるアイスショー『滑走屋(KASSOYA)』です。従来の華美な装飾やジャンプ偏重の構成とは一線を画し、無駄を極限まで削ぎ落としたブラックの衣装、疾走感あふれるノンストップの群舞、そして若手アンサンブルスケーターの徹底的な登用が、舞台芸術の批評家からも極めて高い評価を集めています。客席とリンクの距離を極限まで縮め、エッジが氷を削る凄まじい音とスピード感を体感させる試みは、フィギュアスケートの興行ビジネスに革命をもたらしました。
さらに、歌舞伎やミュージカルとフィギュアを融合させた大型エンターテインメント『氷艶 hyoen』シリーズでは、座長として表現の中心に立ち続けています。単に滑るだけでなく、芝居、歌唱、身体表現のすべてにおいて妥協を許さない姿勢は、演出陣や共演の舞台俳優たちからも畏敬の念をもって語られます。氷上にとどまらず、地上波のスポーツ番組やカルチャー特集での鋭い解説、大学や教育機関でのキャリア講演など、その発信力は衰えるどころか年々深みを増しています。