公的施設としての優位性が高い一方、避けて通れないのが入居条件と空き状況の現実です。介護保険法の規定により、特養への本入居は「原則として要介護3以上」に限定されています。
ただし、要介護1〜2であっても、「重度の認知症により日常生活に著しい支障がある」「知的障害・精神障害を伴う」「家族による深刻な虐待・介護放棄が認められる」といった要件を満たし、保険者(市区町村)が認めた場合は「特例入所」が可能です。この制度の存在を知らずに相談を諦めてしまう家族も多いため、担当ケアマネジャーとの綿密な連携が不可欠です。
待機状況については、都市部を中心に「数十人待ち」「入居まで数か月から1年以上」という状況が続いています。入所順位は申し込み順ではなく、介護度、介護者の有無、認知症の深度、住環境の緊急度を数値化した点数制(入所選考基準)で決定されます。したがって、在宅限界を迎えている切迫度を申込書類に正確に反映させることが、入居への決定的な近道となります。