SNSや大手園芸コミュニティ、知恵袋などの相談窓口には、毎年4月から6月にかけてシクラメンに関する数多くの悲痛な叫びが寄せられています。
「ゴールデンウィークを過ぎたら急に葉が全部黄色くなって萎れてしまった」「枯れたと思ってゴミ箱に捨ててしまったが、実は球根が生きていたと後から知って激しく後悔した」といった声が極めて多く見られます。これは、シクラメン特有の「生理的休眠」のサインを、植物の完全な死滅と誤認してしまう典型的な知識のギャップです。
また、近年ガーデニング用途として爆発的な人気を誇るガーデンシクラメンの花後の管理についても、大きな落とし穴が存在します。屋外の花壇や寄せ植えで楽しまれるガーデンシクラメンは、一般的な大輪系シクラメンに比べて原種に近い耐寒性を持っています。しかし、「寒さに強いからといって、日本の夏の過酷な高温多湿に耐えられるわけではない」という現実を見落としがちです。
地植えにしたガーデンシクラメンを花後にそのまま放置すると、6月の梅雨の長雨と7月以降の猛烈な地熱によって、土中の球根が煮えた状態になり溶けてしまいます。花壇に植えた株であっても、花が終わる5月中旬には丁寧に掘り上げて鉢上げし、雨の当たらない風通しの良い日陰へ避難させるのが、翌年も確実に花を咲かせるための現実的な防衛策です。