水難事故発生後、下流の丹沢湖周辺にまで及んだ遺体捜索および救助活動には、警察、消防、自衛隊など延べ数千人が投入され、約1か月にわたる大規模な作戦が展開されました。これに伴い発生した捜索・救助費用は総額で1億円以上にのぼると試算されています。
世論からは「警告を無視した自業自得の事故なのだから、救助費用は当事者へ全額請求すべきだ」という厳しい意見が噴出しました。しかし、日本の法制度(消防法および警察法、災害救助法)において、公的機関による人命救助活動の費用は原則として公費(税金)で賄われる仕組みになっています。
山岳遭難における民間ヘリの出動などとは異なり、公的な河川敷での公助活動に対して自治体が個人的に費用請求を行う法規が存在しなかったため、莫大な捜索費用は結果として神奈川県や地元自治体の税金で処理されることになりました。この不条理な現実は、後の行政対応や公費負担のあり方に関する議論に一石を投じることになります。