全身を金粉で塗りたくり、あるいは白塗りの異形となって舞台を転がり回る。舞踏集団「大楽駝艦」が世に与えた衝撃は、単なる演劇の枠組みを根底から覆すものだった。1970年代の旗揚げ以来、彼らが目指したのは整えられた洗練ではなく、人間の内部に潜む泥臭くも生々しい生命力の露出だ。
土方巽や土方舞踏の思想を受け継ぎつつも、独自の「天賦典生(てんぷてんしょう)」という概念を打ち立てた。人は生まれただけで、すでに表現として完成している。身体そのものが記憶を持ち、言葉以前の情念を語り出すという視点だ。言葉を捨て、身体の震えや歪みだけで観客と対話する。この過激な肉体表現こそが、世界中の舞台芸術家に計り知れない影響を与え続けている。