7歳を超えたシニア期に入ると、背中や首周り、お腹などにポツポツとイボが増え始める光景は珍しくありません。高齢犬でイボが増加する最大の理由は、皮膚のターンオーバー機能の衰えと局所免疫力の低下にあります。
若い頃であれば正常に排出されていた老廃物や皮脂が毛包内に滞留しやすくなり、皮脂腺過形成や良性の結合組織腫(スキンタッグ)が多発するようになります。これ自体は自然な老化現象の一環であり、直ちに命を脅かすものではありません。
しかし、「高齢だから仕方がない」とすべてのイボを放置するのは危険です。高齢犬は免疫バランスの乱れから悪性腫瘍の発生率も跳ね上がります。新たにできたイボの中に悪性腫瘍が混ざっていても、飼い主が見慣れてしまうことで異変の見落としにつながるケースが後を絶ちません。さらに、首輪が擦れる位置や足の付け根にあるイボは日常動作で摩擦を受け、慢性的な炎症から化膿性皮膚炎を併発するリスクを常に抱えています。