本作が放っていたリアルな質感は、綿密に選ばれたロケ地(撮影場所)にも起因しています。未希と智志が心を通わせ、雨宿りをした重要な舞台は、神奈川県横浜市都筑区周辺の緑道や公園で撮影されました。港北ニュータウンの計画的に造られた美しい並木道や橋は、どこにでもある静かで整った日常の象徴であり、そこに突如として降りかかった非日常の重さを際立たせる視覚的装置として見事に機能していました。
放送当時のネット掲示板(2ちゃんねる等)の反応を振り返ると、放送前と放送後で評価が180度反転した極めて珍しい事例であることが分かります。
放送決定当初は「思春期の子どもたちに悪影響を与える」「中学生の妊娠を美化してブームにするつもりか」といった批判的な書き込みが全体の約7割を占めていました。しかし、回が進むにつれて「避妊の大切さや妊娠の過酷さをこれほどリアルに描いたドラマはない」「親子の対話や覚悟を考えさせられる」という称賛の声が圧倒的多数へと変化していったのです。臭いものに蓋をするのではなく、タブーとされた現実を真正面から描いた当時の制作陣の矜持が、激しい賛否の嵐を乗り越えた瞬間でした。