「モアイ像は頭だけの石像である」というイメージは、実は大きな誤解です。2010年代以降、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の考古学者ジョアン・ヴァン・ティルバーグ博士率いる「イースター島石像プロジェクト(EISP)」が実施した大規模な発掘調査によって、地中深くに眠る驚くべき全身構造が白日の下に晒されました。
発掘チームがラノ・ララク火山の斜面に立つモアイ像の周囲を掘り進めたところ、地上に出ていた頭部の下から、長さ4メートルから最大で8メートルを超える巨大な胴体が出現しました。地表から見えていた部分は像全体のわずか3分の1程度に過ぎず、残りの大半が地中に埋没していたのです。
では、肝心の「足」はあるのでしょうか。発掘された大半のモアイ像の下半身の構造を検証すると、太ももから下の独立した「2本の足」は作られておらず、腰のあたりで直線的・平面的にカットされた台座状になっています。腕は胴体の側面に沿って細長く伸び、長く特徴的な指が下腹部(ヘソの周辺)を包み込むように彫刻されていました。つまり、大半のモアイ像は「直立するための頑丈な腰回り」を持った上半身・胴体主体の構造をしています。