レシピ本やネットのまとめ記事で頻繁に見かける「タレにお肉をしっかり漬け込んでから焼く」という手順。実はこれこそが、生姜焼きをパサパサにしてしまう最大の盲点です。
醤油や塩分を多く含むタレに生の豚肉を長時間(30分以上)浸すと、「浸透圧」の働きによって肉内部の水分が大量に外へ吸い出されてしまいます。結果として、焼く前から肉が脱水状態に陥り、火を入れた瞬間にキシキシとした硬い食感になってしまうのです。さらに、タレ漬けの肉は糖分が焦げ付きやすく、中まで火が通る前に表面が焦げるため、火力を落として長時間加熱せざるを得ず、硬化に拍車がかかります。
プロ直伝生姜焼き作り方の鉄則は、「下味は油分や酵素(マヨネーズ・玉ねぎ・酒)のみで行い、醤油ベースのタレは焼き上がりの直前に絡めるだけにする」ことです。お肉に8割がた火が通ったところでタレを一気に回し入れ、強火でタレを煮詰めながら15〜20秒ほど揺すって肉に絡める。これだけで、肉の内部にはジューシーな水分が完全に閉じ込められ、外側には濃厚なタレが艶やかに密着します。