映画『ジョゼとトラと魚たち』をはじめ、名作の数々で共演者と生み出してきた化学反応は見事というほかない。相手役の良さを引き出しつつ、自らも圧倒的なリアリティを放つスタイルは、上質なヒューマンドラマの制作において不可欠なピースだ。台詞のない一瞬の間や表情の翳りに至るまで、計算を超えた生の感情を宿らせる。
彼女がひとたび画面に加わるだけで、フィクションの枠組みが崩れ、目の前に実在する人物のドキュメンタリーを見ているかのような錯覚に引き込まれる。この尋常ざる説得力こそが、彼女が各方面から熱望され続ける理由だ。