大手映画コミュニティやSNS(X・Filmarks)上における『はるヲうるひと』のネットの反応を検証すると、極めて明確な「二極化」が見て取れます。そこには、佐藤二朗という俳優に抱いていた先入観とのギャップが大きく影響しています。
絶賛する映画ファンの声としては、「佐藤二朗のパブリックイメージを完全に破壊された。こんな凄まじい怪作を撮る人だったのか」「山田孝之の叫び、仲里依紗の鬼気迫る表情に魂が震えた」「重苦しいのに、最後には言葉にできない生の肯定感が押し寄せる」といった、役者陣の演技と脚本の力強さを讃える意見が圧倒的です。
一方で、ネガティブな反応の多くは「福田雄一作品のような笑えるコメディだと思って観たら、あまりの重苦しさと暴力描写にトラウマになった」「観ていて胃が痛くなり、途中で再生を止めてしまった」という内容に集中しています。これは作品自体の瑕疵というよりも、バラエティ等で定着した「お茶目で面白い佐藤二朗」というキャラクターを期待したライト層とのミスマッチが生んだ現象といえるでしょう。