川越氷川神社のご利益がこれほどまでに高い評判を獲得している理由は、祀られている「御祭神の血縁構造」にあります。主祭神の素盞嗚尊(すさのおのみこと)をはじめとする五柱の神々が鎮座していますが、その構成は日本の神社界でも極めて稀有なものです。
素盞嗚尊と奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)の夫婦神、そして奇稲田姫命の両親である脚摩乳命(あしなづちのみこと)と手摩乳命(てなづちのみこと)の夫婦神、さらにその子孫にあたり出雲大社のご祭神としても知られる大己貴命(おおなむちのみこと・大国主神)が祀られています。つまり、二組の夫婦神と縁結びの神が一堂に会する「家族の神域」となっているのです。
この神話的背景から、男女の恋愛成就だけでなく、「夫婦円満」「家族円満」「良質な人間関係の構築」に至るまで、人間社会の根幹をなす絆を結び直す強力なご利益が宿ると信じられてきました。実際に境内には、寄り添うように立つ樹齢600年を超える2本の御神木(ケヤキ)があり、その周囲を八の字を描くように回るとパワーを授かるという信仰が今も息づいています。