ネット上の情報には、香水の品質を著しく損なう危険な誤解がいくつか流布しています。失敗を防ぐために把握しておくべきアトマイザー移し替え注意点詳細を整理します。
第一の誤解は、「香水はプラスチック製容器なら何でも移し替えて良い」という思い込みです。香水には通常70〜85%前後の高濃度エタノールが含まれており、さらに香料オイル成分がブレンドされています。安価なポリスチレン(PS)や粗悪なPET容器に移すと、アルコールや精油によってプラスチックが溶解・白濁し、有害物質が香水に溶け出す危険があります。アトマイザーの内瓶は必ず「ガラス製」または「耐アルコール性ポリプロピレン(PP)」であることを確認してください。
第二の盲点は、アトマイザーを満タンまで注いでしまう「限界充填」です。香水は温度変化によって容易に液体膨張を起こします。アトマイザー内部に約20%の空気層(ヘッドスペース)を残しておかないと、外気温の上昇や体温の伝導によって内部圧力が高まり、スプレーヘッドの隙間から液漏れを引き起こす直接的な原因となります。
第三に、異なる香水を同じアトマイザーに注ぎ足す「ブレンド利用」の失敗です。エタノールで念入りに洗浄したとしても、ガラスやチューブの微細孔に浸透したラストノート(ムスクやアンバーなど分子量の大きい香料)を完全除去することは不可能です。香りの濁りを防ぐため、1つのアトマイザーには1種類の香水を割り当てるのが鉄則です。