小型猿の飼育が犬猫と決定的に異なる最大の障壁は、「診察できるエキゾチック動物病院の圧倒的な少なさ」です。
一般的な獣医師は犬猫を専門としており、霊長類の解剖生理、麻酔導入のリスク管理、感染症治療に関する専門知識を持っていません。体長わずか15cm前後のピグミーマーモセットが下痢や食欲不振を起こした場合、数日で脱水症状に陥り落命するリスクがありますが、車で数時間圏内に対応可能な専門病院が存在しないケースは珍しくありません。
また、小型猿は高い知能を持つがゆえに、狭いケージに閉じ込められたり刺激が不足したりすると、自らの毛を引き抜く「自毛抜去」や尾を噛み切る「自傷行為」などの常同障害(メンタルヘルス障害)を発症します。飼い主への過度な依存や共依存関係に陥った個体は、飼い主が数時間部屋を空けただけで激しいパニック鳴きを繰り返し、近隣トラブルの原因となるケースも多発しています。