世界の強豪が顔をそろえた今回の激闘は、開幕前から異例の熱気に包まれていた。ショートプログラムからフリースケーティングにかけて一瞬たりとも気が抜けない展開が続き、わずかなエレメンツの出来栄えが明暗を分ける結果となった。
勝敗を決したのは、極限のプレッシャー下における再現性の高さだ。ジャンプの着氷で加点を確実に拾い上げ、スピンやステップでも最高難度のレベル4を揃えた王者の滑りは、他を寄せ付けない圧倒的な完成度を見せつけた。技の難易度を上げるだけでなく、プログラム全体で音楽と調和する表現力を発揮したことこそが、決定的な差を生み出した要因といえる。