脳が複数の感覚器官からの情報を統合する際、一つの感覚が別の感覚の解釈を書き換えてしまう現象を、科学の世界では「クロスモーダル効果」と呼ぶ。九州大学をはじめとする最新の食品科学や認知心理学の研究チームも、この錯覚メカニズムの解明に深くアプローチしてきた。
実験では、目隠しと鼻栓をした被験者にイチゴ味とメロン味のシロップを口に含ませた場合、正解率は完全に確率(50%)まで低下する。しかし、目隠しを外して青いシロップを見せると、無香料の甘い水であっても「爽快なブルーハワイの味がする」と確信を持って回答する被験者が相次ぐ。視覚から得られた色情報が、舌から届いた原始的な味覚シグナルを脳内でオーバーライドしてしまう。食品科学が証明したこの脳のバグこそが、かき氷シロップの魔法の正体だ。