自動車のダッシュボード周辺は、この数年で最も激しいデジタル変革が起きた場所と言っていい。かつてCDチェンジャーやカーナビのローカルデータが占有していた特等席は、今やクラウドと常時接続された車載プラットフォームに取って代わられた。
かつて専用端末として一世を風靡したSpotify Car Thingの撤退劇に見られるように、ハードウェアを独立させるアプローチから、既存の車載モニターとスマートフォンを高度に融合させる設計思想へとトレンドは完全に移行した。ダニエル・エクの描いた「あらゆる場所で音楽を」というビジョンは、自動車のコックピットにおいて最も密度の高い体験として結実している。