北欧スイーツを語る上で欠かせないのが、隣国スウェーデンの伝統菓子「セムラ」との関係性だ。見た目は瓜二つだが、中に潜むフィリングに明確なアイデンティティの違いがある。
スウェーデンのセムラが濃厚なアーモンドペースト(マンデルマッサ)と生クリームを組み合わせるのに対し、フィンランドのラスキアイスプッラは「ジャム」あるいは「アーモンドペースト」の二者択一というユニークな文化を持つ。現地でも毎年「どちらが本物か」をめぐる熱い議論が巻き起こるほどだ。
駐日フィンランド大使館の関係者によると、フィンランド国内ではフルーティーなラズベリーやストロベリーのジャムを好む人が圧倒的多数派を占めるという。甘酸っぱい果実味がクリームの重さを程よく中和し、すっきりとした後味を生み出す点が、日本の消費者の繊細な味覚にも見事にマッチしている。