映画『ちはやふる』シリーズは、上の句・下の句の2部作で既に熱狂的なファンを獲得しており、完結編『結び』における新キャスト選考は極めてハイレベルなオーディションとなりました。その中で瑞沢高校かるた部に入部してくる「筑波秋博」役を射止めたのが佐野勇斗です。
筑波秋博というキャラクターは、北海道で主流の「下の句かるた」全国チャンピオンでありながら、競技かるた(百人一首)のルールに戸惑い、プライドの高さとコミカルな空回りを見せる非常にアクの強い役どころです。制作関係者の証言によると、監督の小泉徳宏氏をはじめとする審査陣が佐野勇斗に目を留めた最大の理由は、「物怖じしない思い切りの良さと、憎めない愛嬌の共存」でした。
佐野勇斗自身、オーディション当時はまだキャリア初期の段階でしたが、台本のセリフをただ読むだけでなく、筑波特有の「生意気だがどこか憎めないマスコット感」を全身で体現。プレッシャーのかかる現場で集団劇のリズムを崩さず、むしろ新しい風を吹き込めるバイタリティが高く評価され、満場一致での抜擢に至りました。