物語のクライマックス、北海道の山中に放置された軽自動車の中で発見されたふたつの命。法医学上の鑑定結果は、あまりにも残酷な事実を告げる。男が息を引き取ってから実に半年後、犬は後を追うように旅立っていたのだ。食糧も尽きた極寒の地で、ハッピーはなぜその場を離れず、寄り添い続けたのか。
ネタバレを含めて考察するならば、この「半年間の空白」こそが本作最大の感動ポイントである。周囲からは「孤独死」という無機質な言葉で処理された出来事。だがそこには、他人が入り込めない絶対的な絆と温かな時間が流れていた。ラストに明かされるハッピーの純粋な思いに触れたとき、視聴者は哀しみを超えた深い救いを感じずにはいられない。