ジャケットを着るうえで絶対に破ってはならない世界標準の鉄則が存在する。それが、一番下のボタンをあえて留めずにあけておく「アンバットンマナー」だ。中世ヨーロッパの乗馬時の工夫や英国王室の慣習に由来するこのルールは、服の美しいシルエットを崩さないための機能的な知恵でもある。
現代のビジネスシーンで広く普及しているシングルジャケットの場合、2つボタンなら「上だけ留めて下は開ける」、3つボタンなら「真ん中だけ、あるいは上と真ん中を留めて下は開ける」のが絶対の基本だ。日本のビジネスパーソンに親しまれている洋服の青山などの主要紳士服専門店でも、店頭でのフィッティング時に真っ先に指導される定番ポイントである。一番下のボタンまで留めてしまうと、裾に不自然なシワが寄り、裾が引っ張られて全体のシルエットが著しく崩れてしまうため厳禁だ。