日本の魚類研究が世界屈指の精度を誇る背景には、長年にわたる地道な学術的基盤が存在する。なかでも、ハゼ科魚類の分類学において世界的な成果を上げられてきた明仁上皇のご研究は、幾多の新種記載や系統分類の再定義をもたらし、国内外の学者に多大な影響を与え続けている。
こうした厳密な観察精神は日本魚類学会へと受け継がれ、日々交わされる活発なディスカッションが日本の魚類相の骨格を作ってきた。遺伝子解析(eDNA)の普及に伴い、見た目が瓜二つの「隠蔽種」が次々と解明される現在も、微細な鱗の数や骨格を精査する伝統的な形態学の重要性は失われていない。