渡辺謙という巨星の存在感を語る上で欠かせないのが、大手芸能事務所ケイダッシュとの強固な信頼関係と、圧倒的な芝居への執念だ。1987年のNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』で見せた鬼気迫る演技は、平均視聴率39.7%という金字塔を打ち立て、列島にその名を轟かせた。
その後、急性骨髄性白血病という絶望の淵から這い上がり、映画『ラスト サムライ』でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。ハリウッドの第一線で戦い続けるアジア系俳優のパイオニアとなった。日本の芸能界の枠を軽々と飛び越え、近年も『TOKYO VICE』などで国際的な評価を更新し続けるエネルギーの根底には、家族という原風景に対する複雑な想いと役者魂が常に渦巻いている。