なぜ、額面が1000円と定められた法定通貨が、市場でその2倍から3倍以上の価格で売買されているのでしょうか。記念硬貨 額面以上になる真相を探ると、「素材としての貴金属価値」と「歴史的な象徴性」という2つの強固な力学が存在しています。
第一の理由は、東京五輪記念千円銀貨 銀含有量にあります。本硬貨は品位「銀925 / 銅75」という、いわゆるスターリングシルバー規格で製造されています。総重量20.0gのうち、純銀の含有量は約18.5gに達します。国際情勢やインフレヘッジを背景としたシルバー市場の高騰により、銀1gあたりの店頭小売価格が高値圏を推移する局面では、純粋な「銀の塊」としての素材価値だけで2,000円台後半から3,000円前後に達する計算になります。つまり、額面1000円という数字に関わらず、金属そのものの価値が額面を大幅に上回っている状態(メルトバリューの逆転)が発生しているのです。
第二の理由は、日本初の記念硬貨というエポックメイキングな歴史的価値です。昭和39年は、戦後日本の復興と高度経済成長を象徴する記念碑的な年でした。財務省造幣局の記録によれば、富士山と桜をあしらった芸術性の高いデザインは、国内外の貨幣コレクターから今なお高い評価を受けています。これら「地金価値の下支え」と「アンティークコインとしての需要」が合致している点こそが、東京オリンピック記念硬貨 プレミア価格の理由に他なりません。
一方、100円銀貨の銀含有量は品位600(約2.88g)と控えめであり、銀相場の恩恵を受けつつも、発行枚数が1000円銀貨の5倍以上(8,000万枚)に達したため希少価値が生まれにくかったという構造的な差が生じています。