サンシュユの魅力は、春の黄金色の花だけにとどまりません。10月から11月頃の秋になると、まるでグミのような艶やかな楕円形の赤い実を枝いっぱいに実らせます。別名「アキサンゴ(秋珊瑚)」と呼ばれるこの実は、古来より貴重な生薬として重宝されてきました。
果肉から種子を取り除いて乾燥させたものは、日本薬局方にも収載されている生薬「山茱萸(さんしゅゆ)」です。八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)といった代表的な漢方処方に配合され、滋養強壮、頻尿の改善、腰痛の緩和などに優れた効果を発揮します。
サンシュユの実の食べ方としては、生のままでは強い渋みと酸味があるため、乾燥させてお茶として煎じるか、ホワイトリカーと氷砂糖に漬け込む「サンシュユ酒(果実酒)」にするのが一般的です。ルビー色に美しく染まった薬用酒は、疲労回復や冷えの改善に古くから親しまれています。
そんなサンシュユの花言葉は、「持続」「耐久」「気丈な愛」「成熟した精神」。厳しい冬の寒さに耐えて早春に花を咲かせ、秋には滋養豊かな実をつける強靭な生命力と薬効の高さに由来して名付けられています。