事件の全貌を紐解くうえで欠かせないのが、共に強制送還された渡辺優樹被告との関係性だ。ふたりはフィリピン滞在中から密接に連携し、強盗案件のみならず、日本国内の高齢者を標的にした特殊詐欺で巨額の不正資金を吸い上げていたとされる。
特殊詐欺によって得られた膨大なキャッシュは、暗号資産や地下銀行、複雑な送金ルートを経由してフィリピンの拠点へと送流されていた。強盗事件へのシフトは、特殊詐欺の摘発強化に伴う資金繰りの焦りから生じたものとも指摘されている。資金の分配を巡るグループ内部の力学、そして渡辺被告と今村被告の間で交わされた秘密裏の取り引きの詳細は、組織犯罪の資金脈を断ち切るうえで極めて重要な意味を持っている。