ドラマなどで描かれる「刑事とヤクザの奇妙な癒着」は、現実の現場において厳格に排除されています。かつては情報収集のために組関係者と飲食を共にするようなグレーな時代もありましたが、現在は監察部門の厳しい監視下にあり、私的な接触は厳罰の対象です。
現在におけるマル暴とヤクザの関係は、徹底した法執行者と取り締まり対象という対峙関係にあります。その強力な武器となっているのが、暴力団対策法(暴対法)と各自治体の暴力団排除条例です。代表者の使用者責任を追及した損害賠償請求や、組事務所の使用差し止め、口座開設や不動産契約の完全遮断により、暴力団の活動資金は激減しました。
しかし、締め付けが強化された結果、暴力団が地下に潜行し、実態の見えにくい「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」や半グレ組織と結託して特殊詐欺や強盗を指示する構図が急増しています。マル暴は今、看板を掲げた伝統的なヤクザだけでなく、SNSを介して離合集散を繰り返す新たな犯罪組織とのハイブリッドな戦いを強いられています。