Q1:ピチットシートを使わずに、キッチンペーパーだけで代用して作れますか?
A1:絶対に推奨できません。キッチンペーパーには浸透圧による能動的な脱水機能がなく、単に表面の水分を吸うだけです。水分を抱えたペーパーが肉に密着し続けることで、表面に雑菌やカビが爆発的に繁殖する温床となります。必ず高分子浸透圧脱水シートを使用してください。
Q2:完成した生ハムを切ったら、断面の中心部が鮮やかな赤色でした。生焼けのように見えますが大丈夫ですか?
A2:生ハムは「加熱調理」ではなく「塩溶性タンパク質の変性と乾燥」によって肉を凝固させる食品です。赤身に含まれるミオグロビン色素が保たれるため、中心部は鮮やかなルビー色(赤色〜深紅色)を保ちます。これが正常な状態です。ただし、「指で押してブヨブヨと柔らかい」「中心部から酸っぱい匂いがする」場合は、深部の脱水不足による腐敗の兆候ですので口にしてはなりません。
Q3:燻製(スモーク)工程は家庭の生ハム作りでも必須ですか?
A3:必須ではありません。イタリアのプロシュート・ディ・パルマやスペインのハモン・セラーノのように、世界最高峰の生ハムの多くは燻製をかけない「非燻製品」です。燻製には煙に含まれるフェノール化合物による一定の殺菌・防腐効果がありますが、家庭環境で温燻(熱が入ってしまう)を行うと生ハムではなく「加熱ハム」になってしまいます。ピチットシートを用いた冷蔵庫脱水であれば、燻製なしで素材本来の熟成香を十分に引き出すことができます。